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センター長 丸藤 哲
資格・専門医
日本救急医学会認定救急科専門医・指導医/日本麻酔科学会認定麻酔科指導医 その他
救急集中治療センターに向けて
当院の救急診療は1986年の開院と同時に、徳洲会の理念に基づき地域の救急患者を受入れていましたが、当時は救急部門もなく色々な科の医師が片手間に救急患者を診ていました。2004年に臨床研修指定病院となり、病院の雰囲気が救急患者を積極的に受入れるようになって、複数の医師でより多くの救急患者を受入れるようになりました。 2007年には「救急総合診療部」が設立され、救急外来に救急医が常駐する外傷センター設立の追い風もあり、2004年に4105台の救急車は2016年に9651台と急激に増加しました。その後、松田先生と増井先生が研修を終えて、それぞれ市立札幌病院、福井大学からともに戻られ、その後、後期研修医は4名となり、教育機関としての役割も大きくなってきました。 一方、集中治療部門は心臓血管外科部長が中心に運営されていましたが、瀧先生(前救急集中治療センター長)が着任することにより一緒に運営することになりました。その後、救急部門と集中治療部門の充実策として救急センターを立ち上げました。2018年4月に私が着任し救急センター長を兼務されて所属スタッフが12人となったのを機に救急集中治療センターに改称しました。 当院の救急医療の役割は、これまでの救急外来の機能以外に地域包括ケアシステムの機能を担うべきと、地域連携と地域の医療の核となることを今後の課題としております。消防機関や医療機関と協力して北海道の救急システムの一翼となり、救急患者の受入れ不能事が引き続きゼロに貢献していきたいと考えております。 |
上田 高士
副院長(センター長)
資格・専門医
日本心臓血管外科学会認定心臓血管外科修練指導者 その他
日本ステントグラフト実施基準管理委員会認定腹部ステントグラフト指導医・胸部ステントグラフト指導医 |
増井 伸高
副センター長
資格・専門医
日本救急医学会認定救急科専門医 その他
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松田 律史
部長
(画像・IVRセンター兼務)
資格・専門医
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金城 綾美
医長
資格・専門医
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「救急センター」は最近ではドクターヘリなどのテレビドラマで有名になりました。急病やケガを専門としており、内科や外科などの分け方ではなく、「生きるか死ぬか」を扱う科です。迅速に診断をして、処置を行うことを仕事としています。
一方で、救急車で病院に来る人の6割以上は、救急外来での検査処置の結果、入院せずに帰宅するのも、日本の現状です。これは「タクシー代わりに救急車を使う」ということではなく、病院で診察・検査をやってみないと、重病なのか実は軽い病気なのかは、一般の方には判断できないということです。「重い病気があるかないか」を判断するのも、救急の重要な仕事の一つです。
たとえば「意識を失った、が今は普段通りに回復している」という人がいたときに、【脳神経外科】で調べて脳には問題ないから帰宅した、という話を耳にします。残念ながら、脳神経外科以外の病気は見逃されるかもしれないし、最低でも【循環器】の病気は調べておきたいと思うのが我々救急医です。このように、その症状には何科が適切なのかを判断するのもまた、救急の重要な仕事です。
札幌で24時間体制の検査・診療できる病院というのは決して多くなく、当番病院以外では片手で数えきれる程度です。他の患者の状況によっては、お待たせすることもあるでしょうが、急な病気、急なケガの患者に少しでも力になれればと思っています。
救急車受入患者数 | 8,661 |
時間外外来受診者数 | 4,708 |
合計 |
13,369 |
要請患者数 | 11,274 |
搬送患者数 | 8,661 |
不応需数 | 2,613 |
不応需率 | 23.2 |
死亡 | 83(0.9%) |
入院 | 4,008(46.3%) |
帰宅 | 4,119(47.6%) |
転院 | 451(5.2%) |
升田 好樹
センター長
資格・専門医
日本救急医学会認定救急科専門医・指導医/日本麻酔科学会認定麻酔科専門医・指導医 その他
日本集中治療医学会認定集中治療科専門医/日本急性血液浄化学会認定指導医 |
谷 友之
部長(循環器内科部長兼務)
資格・専門医
その他
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佐藤 洋祐
医長
資格・専門医
日本救急医学会認定救急科専門医 |
合田 祥悟
医長
資格・専門医
日本救急医学会認定救急科専門医 その他
日本集中治療医学会認定集中治療科専門医 |
高度医療は多くの施設で行われるようになり、集中治療は患者の救命や地域医療の維持に大切です。集中治療センターは当院でも最新医療のTAVIや開心術に重要な役割を担っています。また救急科・循環器内科・消化器内科・総合診療内科・心臓血管外科・脳神経外科・外科などと連携して、更に、様々な多職種と連携を密に図り、重症患者に外科的治療から内科的治療にわたる集学的な治療を日夜24時間体制で行っています。即ち、基本的な治療から最先端の医療まで広い医療をチームで支えています。患者の生体情報をモニターして種々の機器や薬剤で呼吸・循環・代謝を管理して、患者の状態に合わせて的確な治療法の選択や薬の投与量・投与法を調節して、必要であれば適切な外科的治療を迅速に行える体制を整えています。
集中治療センターの患者受け入れ件数は2022年に619名です。そのなかで循環器内科の患者数が最も多く、次に心臓血管外科の患者とで約8割を占めています。一般病室からは331名が入室しており、そのうち循環器内科の患者が半数と最も多く、次に心臓血管外科と外科が占めております。集中治療センターに入室した患者の基礎疾患は循環器疾患が8割と最も多く占め、それらの疾患への特殊治療は人工呼吸、ECMO、一酸化窒素吸入療法、スワンガンツ(循環管理)、IABPなどが施行されています。
2020年には、日本集中治療医学会専門医研修施設の指定を取得しました。