放射線科、画像・IVRセンターではCT、MRI、核医学検査などの画像診断とIVR(インターベンショナルラジオロジー)という経皮的な治療を担当いたします。
病気を治療するにあたっては、まず、正確な診断がなされなければ、適切な治療法を選択することはできません。近年、画像診断法は急速に進歩し、病気の診断において重要な位置を占めるようになってきています。CT検査は、全身臓器の構造と病変をCT値の差異に応じて直接描画する検査法であり、救急・外傷、急性期脳血管障害、石灰化・骨化病変の判定、肺疾患、腹部・骨盤疾患に有用性が高いとされています。MRI検査は大きな磁場をもつ円筒形の磁石の中で、身体を構成する水素原子の情報を使って体の断層画像を作成する検査法で、X線の被曝がなく、いろいろな断層画像を撮影することができ、頭部、脊椎・脊髄、腹部、骨盤疾患などで有用です。
適切な検査を的確に行い、正しく、より早く診断にたどり着けるように、お手伝いいたします。
また、現在の医療における重要なキーワードの1つとして、低侵襲性治療があります。その代表的治療法としてIVRがあります。IVRとはリアルタイムに画像を見ながら、ほとんどメスを加えることなく、従来は外科手術でしかできなかった治療を行う「低侵襲性治療手技」です。ガイドワイヤーやカテーテルを介して薬液や小さな金属製の器具を経皮的に挿入したり、カテーテルを介して内溶液を吸引排除するなど、患者さまに与える侵襲を極力抑えた新しい治療法です。
担当医の先生方と相談しながら、適切な治療を一緒に考えていきたいと考えています。
受付時間 | 診察開始 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
7:00~11:30 |
9:00 | - | - | 齋藤 | - | - | - |
※担当医は急遽変更になることがあります。受診の際はご確認の上、ご来院ください。
※休診や診療制限等のご案内は、最新の診療スケジュールをご確認ください。
齋藤 博哉
画像・IVRセンター長
資格・専門医
日本医学放射線学会認定放射線診断専門医・研修指導者/日本核医学会認定核医学専門医 その他
日本核医学会認定PET核医学認定医 |
伊藤 和夫
放射線PETセンター長
資格・専門医
日本核医学会認定核医学専門医/日本医学放射線学会認定放射線診断専門医 その他
日本核医学会認定PET核医学認定医 |
松田 律史
部長
(救急センター兼務)
資格・専門医
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上條 那緒子
資格・専門医
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川内 健太郎
資格・専門医
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高柳 歩
資格・専門医
日本医学放射線学会認定放射線診断専門医 |
土橋 大樹
資格・専門医
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放射線診断科(画像・IVRセンター)では、患者さまに与える侵襲を極力抑えた『経皮的椎体形成術』が可能です。
脊椎圧迫骨折とは、背骨(脊椎)の中の椎体という骨の部分がつぶれた状態になることをいいます。原因としては、高齢者に見られる骨粗しょう症や、転倒、交通事故などの外傷などが挙げられます。圧迫骨折が起こると強い痛みが出現し、数カ月から数年間に渡ってその痛みに悩まされ、なかには寝返りもできないほどの激しい背中や腰の痛みが出現することも少なくありません。
従来の治療は、数週間の安静にし、鎮痛剤や骨粗しょう症の進行を抑える薬を服用したり、患部を固定するコルセットを着用したりといった方法ですが、慢性の痛みが残ったため、運動機能が低下し、寝たきりやうつ状態になってしまうことがありました。
そこで当院の放射線診断科で行なう方法が経皮的椎体形成術(骨セメント療法)です。局所麻酔で皮膚から椎体に針を刺し、骨セメントを注入することにより、椎体を内部から固定する方法です。うつ伏せの状態で検査台に寝ていただき、皮膚・皮下組織に局所麻酔を行い、潰れた椎体の中に針を刺して適切な位置に針が進んだことを確認後、セメントを注入していきます。
治療手技の所用時間は、1椎体あたり30分間程度、開始から約60分~90分間で終了します。特に合併症などが確認されなければ当院では、日帰りの治療として行っています。
経皮的椎体形成術(骨セメント療法)によって、75%~97%に疼痛緩和が得られるとの報告が多数なされています。また、治療直後から数時間以内にそれまであった背中や腰の痛みが消失したり、動けなかった方が歩けるようになったりと、約90%の患者さまが術後早期に劇的な症状改善を認めています。
圧迫骨折の急性痛に対して即時性の除痛効果と骨折椎体の安定化による運動性の早期回復効果に優れています。また骨折後に生じる椎体の変形による神経圧迫症状の予防などにも有効と考えられます。
ただし、この治療は骨の痛みには有効ですが、神経や筋肉の痛みには効果はありません。また、骨や腫瘍が脊髄を圧迫している場合、骨の破壊が高度である場合などでは治療が困難なことがあります。
出現する可能性のある副作用の頻度は約3%以下とされ、次の3件があります。
- 穿刺に伴うもの:穿刺部位周辺の血腫形成、一時的疼痛、膿瘍形成、敗血症などがあります。
- 注入セメント漏出に伴うもの:末梢神経障害、脊髄症状(膀胱直腸障害、下肢麻痺)、背部痛や腰痛の悪化、肺塞栓の出現(低酸素血症、呼吸困難)があります。
- セメント製剤によるもの:一過性血圧低下、アレルギーショック、心機能の低下、不整脈の発生などがあります。