研究所長挨拶
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挨 拶

 

 札幌東徳洲会病院臨床試験センターの3代目試験センター長に就任した前本篤男です。

 当院の臨床試験センターは、基礎研究を行う研究室(ラボ)を有する研究センターです。大学病院や企業の研究室と目的は同じくするものの、当院のような臨床中心の中規模病院においては、より臨床に則した課題である病気や検査法の解明、新たな治療法の創成を行うことが求められています。「生命だけは平等だ」が徳洲会グループ創設の理念であるため、当院は救急疾患を対象にした診療科である救急、循環器内科・心臓血管外科、外科、脳神経外科、IVRなどに多くの患者が受診します。救急災害や、海外での医療の展開も同様な理念に基づいています。一方で、この「生命だけは平等だ」の続きがあることはご存じでしょうか。「〜いつもで、どこでも、誰でもが最善の医療が受けられる社会〜」。すなわち、急性疾患のみならず、がんや慢性疾患なども、どこでも同様な治療が受けられるとも限らないため、それらの疾患の医療を確立することも救急疾患を見ることと同じくらい重要な位置を占めています。「その患者さんの役に立ちたい」それが当院で働く全スタッフのモチベーションであると思っています。

 私がIBDセンター開設と共に当院に赴任した2008年頃には基礎研究ができるような場所もなく、また当院のような民間病院で研究施設をもつ病院は全国にも僅かしかありませんでした。しかし2009年夏頃から徳洲会グループで再生医療に取り組みが始まり、2010年再生医療の臨床試験、2012年11月に院内CPC室(細胞再生治療センター)が設置されました(現在は閉鎖)。そして、それらの取り組みも評価され、さらに研究を推進するため2011年9月に札幌東徳洲会病院附属臨床研究センター(初代センター長:長嶋和郎先生)が開設されました。2012年6月には文部科学省科学研究費助成事業指定研究機関として認可され、科研費など外部資金を獲得できるようになり、2015年にはゲノム解析を始めとする最先端の機器を備えた研究室を7階に整備しました。2018年4月に2代目医学研究所所長に河野透先生が就任され、さらに研究組織として発展し、各大学や施設との共同研究や若手研究者の支援も行われてきています。

 今後も外部資金の獲得を目指し研究基盤を整備しつつ、また若手研究者が成長できる環境を整え、臨床に繋がる研究を推進していきたいと考えています

 

2021年12月吉日

第3代 医学研究所所長

前本 篤男

 

 

 

 

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