TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)とは?

「開かずに手術」
従来の手術より、患者様の体への負担を大きく軽減した新しい治療法です。

これまで重症大動脈弁狭窄症に対する治療法は、胸を切開(開胸)し、人工心肺を用いて心臓を停止させ、狭窄した大動脈弁を人工弁に置き換える外科的大動脈弁置換術しかありませんでした。
しかし、高齢や併存疾患のため手術の危険性が高く手術を受けることが出来ない患者様が約40%いるとされております。
このような患者様に対して開胸せず心臓を停止することなく、カテーテルを用いて人工弁を留置する方法として「経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)」が開発されました。

TAVIの適応外科的手術が困難な患者様が適応となります

  • ご高齢の方
  • 過去に開胸手術の既往がある方
  • 胸部の放射線治療の既往のある方
  • 頸動脈狭窄を合併している方
  • 肺気腫など呼吸器疾患を合併している方
  • 肝硬変など肝疾患を合併している方
  • 悪性疾患合併のある方
  • 活動性の低い方

TAVIによる二つのアプローチ方法

1

経大腿動脈アプローチ

太ももの付け根からカテーテルを挿入

カテーテルを太ももの付け根の大腿動脈から挿入し、心臓まで運びます。
体への負担がもっとも少ない方法です。


2

経大腿動脈以外のアプローチ

肋骨の間からカテーテルを挿入

太ももの血管が細い等の理由から経大腿動脈アプローチが適さない場合のアプローチ法になります。
鎖骨下動脈や直接大動脈アプローチなどがあります。

大動脈弁狭窄症とは?

大動脈弁狭窄症とは、左心室と大動脈の間にある大動脈弁が開きにくくなることで、心臓から全身への血液の流れが妨げられる疾患です。
大動脈弁狭窄症が高度になると、狭心症(胸痛)、失神、心不全症状(息切れ、呼吸困難、疲れやすさ、全身のむくみなど)が出現します。
これらの症状が出現した場合、予後は極めて不良とされ、症状が出現した患者様の約半数は2年以内に命を落とすとされており、突然死の危険性もあります。

  • 正常な大動脈弁
  • 大動脈弁狭窄症
  • 胸痛
  • 失神
  • 息切れ
  • 疲れやすさ
  • 全身のむくみ
  • 呼吸困難

大動脈弁狭窄症の治療法

大動脈弁狭窄症の治療法は様々な考え方があり、患者様の症状や病状の進み具合によって異なります。
症状が軽度な場合は薬でコントロールし経過観察を行う保存的治療が考えられます。
症状が重度な場合は弁を取り換えるために大動脈弁置換術が行われることとなりますが、体への負担が大きいため高齢の方や他の疾患がある方は手術自体が不可能となる場合があります。
そのような方の新たな選択肢、新たら治療法がTAVIです。

TAVIのメリット

  • No.1

    ご高齢の方や疾患がある方への治療が可能

    ご高齢の方や既に疾患があり手術が難しい患者さんへ新しい治療法として治療を選べるようになりました。

  • No.2

    体への負担が少ない

    開胸せず、心臓を止めずにカテーテルを使って心臓に人工弁を留置しますので、患者さんの体への負担が少ないです。

  • No.3

    入院期間が短い

    従来の手術と比べると手術時間が短く、入院期間も短いので患者さんは比較的早く社会復帰ができます。

札幌東徳洲会病院のTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)

当院は札幌市内のみならず、北海道全域の心臓病特に虚血性心疾患に対して闘病されておられる患者さんに対して、これまで長年に渡り、輝かしい治療実績を挙げてきました。
さらに、2010年より齋藤滋が心臓センター長(湘南鎌倉総合病院循環器内科科長・副院長兼任)に赴任した以降は、不整脈治療および末梢動脈疾患治療にも診療内容を拡充してきました。
そして、2017年からはこれまで続けてきた心臓弁膜症に対する心臓血管外科診療に加えて、手術困難な重症大動脈弁狭窄症患者さんに対してのカテーテルを用いた治療である経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)も積極的に開始しています。
現在では、北海道内の徳洲会グループ病院や関連施設との連携により、多くの弁膜症の患者様を紹介して頂くシステムが構築されています。

TAVI治療の特色

1

総合病院の強みをいかした、各科との連携

当院は25の診療科を有し、TAVIを担当する科のみならず、院内の多くの診療科のバックアップを受け患者様に最善の医療を提供いたします。


2

最新機器を備え、患者様を第一に考えたハイブリッド手術室


3

最新の3D心臓エコーによる心臓構造の空間的把握が可能


4

道内最高スペックの256スライスCTで、TAVI治療に必須の弁評価はもちろん
冠動脈、大動脈、下肢血管の立体的描出が可能

当院のハートチームのご紹介

医師をはじめとしたスタッフが診療科を越えて連携し、それぞれの患者様に合った最適な治療法を選択します。

2010年より当院循環器センター長に就任し、不整脈治療および末梢動脈疾患治療など診療内容を拡充してきました。
斎藤滋氏は日本国内にもまだ数名しか存在しない、SAPIEN-XT、SAPIEN3 および CoreValve の Course Directors の一人であり、弁膜症に対するカテーテル治療の世界的学会である、北米で年一回開催される TVT そして、ヨーロッパで年一回開催される PCR LondonValves、さらには心臓治療の世界的学会である TCT や EuroPCR あるいは CIT においても役員として活躍しています。

湘南鎌倉総合病院副院長 兼 当院循環器センター長
齋藤 滋

  • 松谷 健一
    循環器内科 部長
  • 片桐 勇貴
    循環器内科 部長
  • 笠井 悠太郎
    循環器内科 医師
  • 宮崎 護
    循環器内科 医師
  • 山崎 誠治
    院長 循環器内科 部長
  • 上田 高士
    副院長 心臓血管外科 部長
  • 山崎 和正
    循環器内科 部長

お問い合わせ

医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院

治療に関するご相談、ご質問、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

011-722-1110(代表)

循環器センターホットライン(専門医直通)

090-5987-5479

※回線状況により出られない場合がございます。
着信があっても折り返しのご連絡ができない場合もございますので、つながらない場合は当院代表電話番号にお掛けなおしください。

アクセスマップ

〒065-0033 札幌市東区北33条東14丁目3番1号

交通機関のご案内

  • 地下鉄東豊線「新道東」駅・5番出口より徒歩4分
  • 地下鉄南北線「北34条」駅より中央バス76・78乗車、東12丁目下車徒歩1分
  • 高速道路「伏古インター」「札幌北インター」降りて約5分